やっと国会が始まりました。国会審議の一部を聞いただけですが、日本の政治から統一教会の影響力を排除できるのかどうか、非常に心許ない状況です。むしろもっと巧妙に、表面化しにくい形で統一教会と政治家との相互依存、相互利用がさらに進むのではないのか。また、管前総理の弔辞を検証する中で、安倍元総理の死をめぐる新たな疑惑が芽生えてきました。
1.岸田総理豹変の謎
岸田総理は安倍元総理の国葬前までは、自民党は統一教会とはきっぱりと手を切ると繰り返し表明していました。茂木幹事長も当初は繰り返し、統一教会と関係を続ける人とは一緒に仕事はできないとまで語っていました。
しかし、国葬後は急変しています。岸田総理は、10/6の所信表明演説に対する質疑応答では、統一教会に関する野党の質問に対して、明らかに従来とはかなり後退した答え方をしていました。
岸田総理の統一教会に対する従来の対応との決定的な違いは、次の2点。
1.統一教会とは手を切る、とは言わなくなったこと。
2.説明責任は議員個人の責任でなされるべきだと、繰り返し表明。つまりは、議員個人に責任をおっかぶせて、党としては責任を取る意思はないという立場に変わったように感じます。
国葬前までの、「統一教会と関係を続ける人とは一緒に仕事はできない」という、自民党としての立場を明確に示した、以前の岸田政権の方針とは様変わりです。
この後退は、国民にとっては看過できない深刻な問題だと思います。
仮に、自民党としては組織的に統一教会と提携して選挙運動を展開したというところまではいっていないとしても、かなりの数の議員が統一教会の支援を受けていたというのは紛れもない事実です。
そういう議員を含めての第一党であり、自民党政権なのではありませんか。岸田自民党総裁は、自民党が第一党として政権を握っているからこそ、岸田総理大臣として政権トップの座にいるのではありませんか。
であるならば、岸田総理の座を支えている議員が、多くの被害者を出している反社勢力と親密な関係を続けてきたという事実に対して、総理は我関せずとはならないはず。それどころか、反社勢力を野放しにしたことで、国民を反社勢力の餌食に供し、国民を守ることができなかったという、重大な責任があります。
しかし国葬後の岸田総理は、悲しいかな、責任をほとんど感じておられない様子です。岸田総理は、野党から、統一教会とズブズブ、ベタベタの関係にあった山際経済再生大臣の更迭を求められても言下に拒否しました。
岸田総理も、山際大臣も、今後は統一教会とは関係を持たないとの一言で、全てが免罪されるとでも思っているような無責任さです。今後はやりませんといえば、犯した罪は全て免罪されるのであれば、この世に犯罪者は存在しませんし、法律も無用となりますね。
犯罪とはすでに犯した(過去の)違法、無法行為のことであり、刑法も民放も過去の犯罪に対する罪を問うものです。被害はその過去に犯した犯罪によって発生しているわけですから、犯罪者たちは過去に犯した罪を問われ、被害者への責任も問われるわけですよ。
岸田総理や山際大臣をはじめ、統一教会系自民党議員の方々には、犯罪に関する人類普遍のこんな常識すら欠落しているらしい。国会議員として、あるいは地方議会議員として、統一教会を擁護してきたという重大な罪=信者の人生を破壊したという罪は、議員辞職以外に罪を償う方法はないはずです。
統一教会との濃厚な関係が周知の事実となっている細田衆議院議長も、同様です。細田氏の場合は、衆議院議長という品位ある地位と名誉までをも貶めました。しかし自民党は、衆議院議長は別格だとして、調査対象からは除外していたという。
この細田氏に対して、民主党の泉代表が議場で統一教会に関する質問したという。わたしは直接見聞きしていませんので具体的に何を言ったのかは知りませんが、自民党は、泉代表の行為は衆議院議長の品位を貶めるものだと抗議したらしい。
しかし細田氏の統一教会とのベタベタ関係そのものが、衆議院議長の品位を貶めているではありませんか。細田氏は即刻衆議院議長を辞し、合わせて国会議員も辞めるべきだと思います。日本の恥です。ついでに付け加えるならば、週刊誌で報じられていた細田氏の個人的な非倫理的な行状も、衆議院議長の品位を地に叩きつけるようなものですよ。日本の政治家は責任の取り方を知らない。
反社勢力と関係をもったという例は、民間企業では余り見聞きしませんが、芸能界では時々話題になりますね。かなり昔になりますが、島田紳助さんは反社勢力との付き合いが発覚して事実上芸能界を引退したような状況がつづいています。最近でもお笑い芸人が同様の理由で、仕事を干されていました。
国民の命と暮らしを守ることが基本的な責務であり、税金から給与(歳費)をもらっている政治家の場合、反社勢力との関係が発覚した際には、民間人以上に厳しく責任が問われるの当然です。
暴力団と統一教会とを同一視するなとの反論があるかもしれません。同じ反社勢力とはいえ、統一教会はある意味、暴力団以上に悪質です。にもかかわらず、宗教法人という強力な隠れ蓑を日本国政府から付与されていますので、その悪質さが今日まで秘匿されてきました。統一教会は、日本国政府によってその犯罪的な活動が守られてきたと言っても過言ではありません。
日本政府(自民党政権)が重ねてきた積年の犯罪幇助が明らかになった今、岸田総理はその罪を償うべく、統一教会に対して厳しく対峙すべきでありませんか。にもかかわらず総理は、統一教会に対して、何やら融和的な姿勢に後退したかのような印象を受けますが、ひょっとして、岸田政権もひそかに統一教会からの支援を受け入れはじめているからではないかと、推測しています。
具体的にいえば、国葬時、非常に多くの若者が弔問に訪れたことが話題になっていましたが、その中には統一教会からの指令を受けて弔問に訪れた若者も多くいたのではないか。安倍元総理は若者の支持者が多かったそうですですので、多くの若者が弔問に訪れたのは自然なことだとは思いますが、統一教会からも若者を含めて大勢の信者が教会の促しを受けて訪問したのではないか。
もちろんこれは、岸田政権や自民党からの要請を受けたものではなく、統一教会の自主的な行動だと思いますが、岸田総理は国葬後にこの事実を知らされ、統一教会を無下に排除するのは得策ではないと判断したのではないか。
一般弔問者の多寡は、反対論渦巻く中で国葬を強行した岸田総理にとって、政権の生死を決するほどの重大問題でした。幸い、予想を上回るほどの弔問がありました。中でも非常に多くの若者の弔問があったことが大きな話題になり、国葬批判の勢いをくじく力となりました。
統一教会の威力を目の当たりにした岸田総理が、態度を豹変したとしても不思議ではありません。
以上はわたしの推測ですが、国葬後の統一教会に対する岸田総理の豹変の理由は他には考えられません。
2.統一教会の存続を図る自民党
岸田総理の統一教会に対する対応が、国葬後に豹変したとはいえ、岸田総理ももともと統一教会を解散させることまでは考えていなかったはず。岸田総理は国葬前までは、自民党は統一協会との関係を断つと力をこめて繰り返し宣言していましたが、統一教会に宗教法人格を返上させる、解散させる、あるいはそれに類することは一言も表明したことはありません。
つまり岸田総理も、統一教会の存続は黙認して、被害者の救済に力をいれて、国民の批判をかわすという考えだったのではないか。
その点では国葬前も後も、岸田総理の考えには大きな変化はないはずです。しかし問題は、被害者をどのようにして救済するかという点にあります。
統一教会に法外な献金をしたことで信者とその家族が困窮に陥った以上、統一教会からそれらの献金を返還させるのは当然ですが、その返還を100%確実にするための、強制力をもった枠組みを準備する必要があります。
岸田政権としては当然のことながら、被害者救済のための強力な体制作りを進めているものとばかり思っていました。もしも返還請求が100%確実に実行されるならば、統一教会の弱体化は不可避となるはず。
しかし、岸田総理は統一教会に余り打撃を与えない方法で、被害者「救済」を図ろうとしているのではないか、という新たな疑惑がつい最近芽生えてきました。
というのは、先日チラッと聞いた国会審議で、岸田総理は統一教会への献金で困窮する被害者を、生活保護などで救済すると答弁していたのを耳にしたからです。余りにも異様な答弁には唖然としてしまいましたが、聞き間違いではないかと我が耳を疑ったほどです。今も疑っています。
それほど異様な答弁だったわけですが、余りの異様さに鮮明に記憶に残っていますので、多分、聞き間違いではないと思います。国の税金を使って、統一教会を救済しようという異様さ。しかし統一教会を存続させようというのは、岸田総理のみならず、自民党の総意だろうと思います。
先週(10/7)のNHK日曜討論では、これまた統一教会とズブズブ、ベタベタの荻生田経済産業大臣は、統一教会に解散命令を出すのは困難と答えていました。つまりは、統一教会を、その資格がないにもかかわらず、宗教法人として保護すべきだというのです。この件については、文化庁をはじめ関係省庁のトップを国会に呼び、徹底的に追及すべきです。
3.相談者情報を要求する統一教会
9/23の西日本新聞に、統一教会が福岡県内の消費者センターと消費者相談窓口を訪れ、教団に関する被害者相談情報の提供を求めていたことが報じられていました。
日本各地で同様の事例が多数発生していたことは、この記事以前にすでに報道されていましたが、この日の記事は、福岡県議会で、民主県政(立民・社民・国民民主・無所属)の原中誠志氏の質問に服部知事が答えたもの。その分具体的ですし、統一教会の底なしの破廉恥さが具体的に確認できました。これほど破廉恥なことをぬけぬけとやるとは。背筋が凍る思いに襲われました。
記事によると、統一教会関係者は、県内にある消費者センターと消費者相談窓口合わせて38か所のうち24か所を訪れ、「相談があった場合は、その人の名前と住所を教えてほしい」と要求したという。当然のことながら、県はこの要求を拒否したとのこと。
しかし、全く臆することもなく、堂々とセンターや窓口に出向き、相談者情報を提供してほしいと要求するとは、統一教会以外には誰も思いもつかない異常すぎる違法行為です。既報のように、福岡県以外の日本各地でも同様の要求がなされていました。
時たま、警察官が捜査情報を暴力団などにもらしたという事件が発生しますが、こうした事件は、篭絡した特定の警察官を相手に、とことん秘密裏に情報のやり取りをしていたものが露見したものです。
しかし統一教会は同様の違法行為を、全く悪びれた風もなく、むしろ彼らの当然の権利でもあるかのように、堂々と相談者情報を要求しているわけです。
統一教会は何をしても許される、何をしても守られているという自信がなければ、こういう異様な要求をするはずはありませんが、この自信はこれまでの実績によってもたらされたと思われます。
つまりは、過去には同様の要求が認められて、返還要求が裁判沙汰になる前に、ごく一部を返還して元信者を黙らせるという解決法をとっていたのではないか。言うまでもなく、安倍政権下で手に入れた特権です。
山上家の場合も、統一教会の幹部が仲介して5000万円を返還したことになっていますが、元弁護士であった伯父は、ごまかしでしかないと批判していました。5000万円返還の契約書は交わしたものの、実際に全額返還が完了したのかどうかも不透明です。
母親が熱心な信者なので、教会をとことん追求することもないでしょうし、それどころか、返還後も寄付を繰り返しているとのことで、返還総額はなお不透明のままだと思われます。
山上家の場合は、母親が熱心な信者である中での返還なので特殊な例かもしれませんが、統一教会と元信者との直接交渉の場合は、圧倒的に統一教会側が有利になるような流れになるのは火を見るよりも明らかです。
統一教会が相談情報の提供を求めたのもそのためですが、こんな異様な要求を野放しにする日本は、法による統治機能は壊れているのではないかとさえ思います。
4.日本人信者に植民地支配の贖罪を強制する統一教会
これも西日本新聞(10/7)からの引用です。
「背けば地獄」意思奪われ
統一教会脱会の女性信者証言
献金、合同結婚式、渡韓・・・
「国は問題を見過ごさないで」
「婚姻の自由侵害2世も」
以上は、統一教会の元信者の証言を、一面で報じた記事の見出し部分のみを抜き出したものです。見出しだけでも、元信者が統一教会で味わった悲惨な体験については大まかなところ、伝わるかと思います。
事件後、ネットを介しても元信者の証言は多数発信されてきましたので、上記記事のような証言はすでに何例も見聞きしたかと思いますが、事件から3か月たった今、新聞が一面で報道するのは珍しいのではないかと思い、ご紹介しました。
統一教会で悲惨な目に遭った元信者の方々は、報道し切れないほどまだまだ大勢おられるという事例でもありますが、統一教会系自民党議員の皆さんには、特にその悲惨な実態を直視していただきたいとの思いもあり、紹介させていただきました。
さらに西日本新聞には、新興宗教を研究している、韓国の釜山長神大学神学科の卓志一教授の、貴重な談話も掲載されていました。こちらはひと月ほど前の9/20の記事ですが、卓教授は、統一教会について次のように解説しています。
「日本で霊感商法や献金を通して得た資金を韓国に集め、米国で投資している。典型的な「企業型宗教組織」だ」と分析。
「韓国では60~80年代に軍事政権を支援して保護を受け、軍需産業など多分野のビジネスに手を広げた。」
西日本新聞(10/7)
軍需産業(人殺しが不可避の産業)にまで進出した統一教会は、宗教教団といえるのか。韓国では宗教教団として認められているようですが、政教分離を旨とする近代国家ではありえないのでは?ましてや宗教法人として保護するとは、正気の沙汰ではありません。しかも統一教会は、今現在も軍需産業を傘下に置いています。
さらに卓教授は、
日本に金銭被害が集中する理由は(中略)「韓国を苦しめた日本には罪があり、金銭的な償いや性的な贖罪が必要と説く。その表れが霊感商法や献金であり、日本人女性を韓国に嫁がせる合同結婚式だ」と読み解く。
西日本新聞(10/7)
統一教会によって日本人が収奪され続けるという理不尽さが、植民地支配によって韓国を苦しめた日本は、その償いをしなければならないという統一教会の教理に由来することは、日本の専門家や元信者の方々からも指摘されてきた周知の事実ですが、韓国の専門家も全く同様の指摘をしています。
ところが、「自民党の世耕弘成参院幹事長は6日の参院本会議の代表質問で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と同党との関係について 「『日本人は贖罪(しょくざい)を続けよ』として多額の献金を強いてきたこの団体の教義に賛同するわが党議員は一人もいない」と述べた」という。
(産経新聞 yahoo)
「この団体の教義に賛同するわが党議員は一人もいない」の中には、安倍元総理も含まれているわけですが、であるならば、こんな教理を掲げて、韓国に対して金銭的、性的な贖罪を続けることを日本人に強制し続けてきた統一教会を、なぜ厳しく批判しないのでしょうか。
安倍元総理の表と裏(統一教会擁護)の顔との真逆の関係は、世間(有権者)を欺くものでしかありません。詳しくは統一教会の宗教法人格を剥奪せよ!の「統一教会の保守派癒着の狙い」ですでに論評しております。
事実、世耕氏はもとより安倍元総理も、そして岸田総理を含む全自民党議員は誰一人として、統一教会を批判したことはありません。それどころか仲良く交流を続け、自民党政権としては、反社団体として統一教会に解散命令を出すことも拒否、妨害してきたではありませんか。なぜ宗教法人として保護しつづけるのか。
さらに悪質なことには、統一教会系の自民党議員は誰もが、統一教会が悪徳商法(献金)を行っていることは知らなかったと釈明していることです。これは、政治家としての基本的使命を放棄していると自白したも同然です。国民の命や暮らしの安全を守るという、政治家の基本中の基本の使命を放棄しているからです。
政治家は、国や国民の安全を脅かす動きには、マスコミ以上に敏感であるべきです。公安はそのための組織ではないのですか。公安はオウム真理教の分派の活動は監視しても、統一教会は監視対象ではなく、保護対象でしたね。歴代公安トップは、全て統一教会シンパでした。恥ずかしくないのでしょうか。
自民党議員の皆さんは、統一教会を野放しにして、日本人信者たちの家庭を破壊し、人生を破壊するに任せてきた責任をどう取るつもりなのでしょうか。そもそも責任を感じていないのでしょう。
冒頭紹介した元信者の女性は次のように、証言を結んでいます。
「国が教会を野放しにする間、多くの人が苦しんできた。もうこの問題を見過ごさないでほしい」
この訴えを受けて、行動に移さないのであれば、政治家失格。即刻国会議員、地方議員を辞めるべきです。
5.菅前総理の剽窃弔辞
安倍元総理の国葬での、菅前総理の弔辞が大評判を呼んでいました。感動したとの賛辞の嵐。個人だけではなく、多くの大手マスコミからも賛辞が寄せられていました。
ところが、最も感動を呼んだこの弔辞のクライマックス部分は、以下の記事にあるように、安倍元総理が盟友JR東海・葛西敬之会長の葬儀において捧げた、弔辞からの剽窃だったという。
菅義偉が国葬弔辞で美談に仕立てた「山縣有朋の歌」は使い回しだった! 当の安倍晋三がJR東海・葛西敬之会長の追悼で使ったネタを
2022.10.01 リテラ
第三者の言葉からの盗用でも許されませんが、元安倍総理の葬儀の場で、当の安倍元総理ご自身が葛西氏の葬儀で披露した弔辞を盗むとは、これ以上の死者への冒涜はないはずです。
当然のことながら、「山縣有朋の歌」発見に至るシチュエーションも真っ赤な嘘、創作であり、捏造でした。
ちなみにこの歌は、葛西氏が2014年の年末に、安倍氏と会食した際に、葛西氏が安倍氏に冬休みのお薦め読書として紹介した、岡義武著『山縣有朋』に収録されているという。
安倍氏は休み明けには本書を読了。感動した旨を2015年1月12日のFacebookに投稿、山縣有朋の歌も紹介していたという。
という事情が分かると、山縣有朋の歌発見に至る捏造シナリオがいかに醜悪なものか多言は無用でしょう。
しかし管氏は、安倍元総理とは一心同体であるかのような、あるいは、相思相愛の関係にある恋人同士であるかのような、親密な関係にあったことを弔辞の基調に据えて披露されました。
ネットなどでは恋文みたいとの感想もあるほどの、弔辞らしからぬものでしたが、それほど親密な関係であったのであれば、安倍氏がSNSでも公開している山縣有朋の歌にまつわるエピソードを知らないはずはないとも思われますが、知った上で盗用したのか、知らずに盗用したのか。いずれにせよ、お二人は恋人のような関係ではなかったようです。
ということで、管氏の弔文に記された道行き文にも、いささか過剰な創作が加わったのではないかと推察いたします。
また、管氏の弔辞盗用を報じたのは、上記ご紹介した「リテラ」のみ。わたしはTwitterで知ったのですが、「日刊ゲンダイ」は「リテラ」の記事を紹介しながら、同趣旨の記事を掲載していました。一般紙や他のマスコミも知らなかったのか、わざと無視したのか、どこも報道してなかったらしい。精査はしていませんが。
6.安倍元総理の死をめぐる疑惑
しかし管氏の弔辞の捏造疑惑は、「山縣有朋の歌」だけではありません。管氏は銃弾に倒れた安倍氏との対面場面でも、看過しがたい捏造、演出を加えています。
管氏は、安倍元総理銃撃の知らせを受けるや、最愛の恋人のもとに駆けつけるかのような心情を吐露しつつ、奈良県立医大の病室に横たわる安倍元総理のもとに駆けつけたと、弔辞で語っていました。
管氏が安倍元総理のもとに駆けつけた時、昭恵夫人がおられたのかどうかについては全く触れておられず、管氏が安倍氏の手を握った時に安倍氏がほほえんだと語っていました。
しかし、安倍氏は奈良県立医大に運ばれて時点では、というよりも、以下の記事にあるように、演説現場で倒れた時点で即死していたことが、専門家によって確認されています。
安倍晋三 元総理銃撃事件 医師たちの5時間半2022年7月26日 NHK
銃撃された安倍元総理の様子が、時系列に沿って、実際に現場で蘇生措置を試みた、専門家の言葉で詳しく紹介されているのは、上記のNHKの記事のみだと思います。
上記記事には3人の専門家が登場します。
銃撃現場近くのクリニックの中岡伸悟医師・・・
中岡医師は銃撃直後、看護師帯同で現場にかけつけたが、心肺停止状態で脈拍もなかったという。中岡医師は救急車が到着するまで、心臓マッサージやAEDを使って蘇生を試みたという。しかしAEDは「正しい手順で行っているのに作動しない。AEDは電気ショックの効果がある場合には作動するが、すでに心臓が動いていない場合には作動しないという。」
ドクターヘリの南奈良総合医療センター 植山徹医師・・・
蘇生用の点滴をしようとしても、急激な血圧低下で針がさせず「全く意識もありませんし、脈も確認できませんでした。それで、静脈路をとろうとしてもできなかったので、骨髄針といって、骨に針を刺して骨髄の中から輸液する方法をとりました」
奈良県立医科大学附属病院 福島英賢教授・・・
「蘇生処置に反応せず、治療を続けても回復の見込みがないと思われる場合、どこかの時点で治療を中止する決断をしなければなりません。中止を決める際には、蘇生の限界点が来ているという医学的な判断だけでなく、家族の理解も得なければならないのです。今回は、病院に家族が来ると聞いていたので、そこまでは治療を続ける方針でした。家族に私から説明をして、理解していただいたうえで中止の決定をしました」(治療の状況については生中継で放送されましたので、治療の具体については省略)
「手術が始まってから4時間余りが経過した午後5時前、妻の昭恵さんが病院に駆けつけた。」
つまり病院は、昭恵夫人の了解を得て治療を中止したということです。この時点で、安倍元総理の死は、その時刻を記して明確に確認、記録されたということです。
菅元総理は、昭恵夫人より先に、安倍氏のもとに駆けつけたのでしょうか。ありえないはず。最愛の夫や最愛の恋人との最期の場面で、現実離れした幻影に見舞われるということはありうるだろうと思われます。
しかし安倍元総理の銃撃死に関しては、幻影を使って語ることは厳に慎むべきだと思います。銃撃を受けた安倍元総理の、死に至る真実を覆い隠すことになるからです。
安倍元総理の銃撃事件をめぐっては、奈良県警の警備体制のみならず、事件の検証結果についても多々不可解な点がありました。詳細については書きませんが、一言でいえば、奈良県警は、何か真相を隠そうとしているのではないかということです。
最大の疑惑の一つは、安倍元総理が銃撃されて即死したという事実を、隠蔽しようとしているのではないかということです。
山上容疑者は銃を2発発砲、2発目で安倍元総理は倒れたという。安倍元総理には、肩に1つ、首に2つの3つの銃創が確認されています。
ここで多々疑問が出てきます。通常ならば、安倍元総理を絶命させた銃弾と、山上容疑者の銃に装塡されていた銃弾が同じものであるのかどうかについては、当然検証されるはずですが、検証の結果は発表されていません。
銃弾に関しては唯一、事件後の検証で、現場近くの建物の壁に弾痕が3つあったことが確認されたということのみ。山上容疑者の手製の銃で使われていた銃弾は、安倍元総理の体内からも、現場周辺からも見つかったというニュースは見聞きしていません。
弾痕だけで山上容疑者の銃から発砲されたとなぜ断定できたのか。しかも山上容疑者の銃は、一度に6発の弾を発射する仕組みになっているにも関わらず、安倍元総理以外には弾は当たっていません。即座に2度目を発砲していますので、6発装塡した弾を1発ずつ発射することも可能だったのか。押収した銃を調査した結果はなぜ公表されないのか。
などなど、菅元総理の余りにも不自然な弔辞をきっかけに、多々疑問が湧き出てきました。菅元総理の弔辞からは、管氏ご本人が意図したものかどうかは不明ですが、安倍元総理が銃撃現場では即死していないというメッセージが伝わってきます。
即死であるならば、山上容疑者の手製の銃で、銃創があったという首か肩から撃ち込んだ弾が、心臓に達するルートを辿りうるのかとの疑問と、心臓を直接狙わずに、首か肩から心臓を狙うという複雑な操銃が可能だったのかという疑問も生まれてきます。こうした疑問を封じるために、即死ではないというストーリーが捏造されているのではないか。
そしてこの事件の最大の謎は、安倍元総理を死に至らしめた銃弾が、安倍氏の体内からは見つかっていないということです。現場からも発見されていません。奈良県警は、この謎については何一つ説明していません。おそらく真相を明らかにすることを禁じられているのでしょう。
しかしむしろ、この不自然な隠蔽工作は、安倍元総理は本当に山上容疑者の銃で殺されたのか、という重大な疑惑へと我々を導くことになるのでは?
最後にウクライナ情勢についても一言。プーチン・ロシアは底なしの恥知らずですね。こんな国が国連の常任理事国に居座り続けることは、国連の創設趣意にも反します。