皆さんは、国会議員の全収入をご存知ですか。歳費だけではありません。公的補助による固定収入は実に多種多様、手厚くサポートされています。本稿では、公的に補助されている国会議員の全収入をご紹介します。また11年も前に、政治資金収支報告書のデジタル化対応のオンラインシステムが提供されているにもかかわらず、ほとんどの議員が使っていないという実態もバクロしております。(アイキャッチ画像内の安倍派五人衆の出典・自民 安倍派 “5人の議員を中心とした体制への移行目指す” NHK)
1.国会議員の収入総覧
裏金問題をめぐって、大金の裏金を手にしていた自民党議員の一部議員が政治倫理審査会に出席することになり、わずかながらこの問題にも動きが出てきました。しかし、裏金があぶり出した「政治とカネ」をめぐる問題の背景を探るには、政治資金パーティを使った集金活動だけではなく、国会議員が手にする総収入の実態をまず確認する必要があります。
国会議員が手にする収入は、歳費と政治資金パーティによる事実上の寄付金だけではないということです。調べればすぐにも分かるはずですが、意外なことには、官民いずれのサイトでもその総額を網羅して、分かりやすく一覧表示してくれているサイトは見つかりませんでした。
やむなく、次の2サイトをベースに、多少、わたしが補足したものを以下に提示いたします。
「国会議員」がもらえる"給料以外"のお金って何がある? マイナビニュース
国会議員が政治団体等に寄付(よくあるのが自身の政党へ寄付)し、確定申告により寄附金控除を申告し、所得税還付を受けるケースがあります。」税理士ドットコム
今回初めて知ったのですが、政治家の収入は様々、多種類あることに、びっくり。固定収入は全て税金からの給付です。以下、税金からの給付金は赤字、税金以外は緑で記します。
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国会議員の収入の内訳
【歳費=給与 (議長などの役職についていない一般の国会議員)】
・基本給…年1,552万8000円(月額129万4000円) ・期末手当(賞与)…年約620万円 ⇒年額約2,173万円
各議院の議長は月に217万円、副議長は月158万4,000円 内閣総理大臣・・・205万円
【活動費】
・調査研究広報滞在費…年1,200万円(月額100万円) ・立法事務費…年780万円(月額65万円) ⇒年額約1,980万円
・JR特殊乗車券、国内定期航空券の交付・・・国政にかかわる仕事で交通機関を利用する際に使用されるチケット(「タダ券」)
・審査、調査の為の派遣旅費日当・・・政府には様々な委員会があり、その委員会に属している議院が視察などの理由で各地方に派遣されることがあります。その際に発生した旅費などが支給されます。
・旅費・・・公務により派遣された場合にかかった旅費が支給されます。歳費法第8条により定められています。(*タダ券があるのに、何種類もの旅費・宿泊費)
・弔慰金、特別弔慰金の支給・・・議員が死亡した場合、歳費月額の16カ月分が弔慰金として支給されます。また、職務に関連して死亡した場合は弔慰金のほかに歳費月額の4カ月分が加算されます。
・公務上の災害に対する補償・・・公務を行っていた際に発生した災害などで、被害を受けた際に支払われる手当て。
・議会雑費・・・国会の開会中に、正副議長や常任・特別委員長などの特別な役職に就いている議員には1日6,000円の雑費が支給されます。これは国会に出席した日数ではなく、出席してもしなくても開会日数分の金額が支払われます。例えば、60日開会していた場合は60×6,000円で36万円となります。
・秘書給与・・・国会議員は3人の秘書の給与を公費で賄うことができます。秘書の給与はランクなどによって異なりますが、だいたい600万円~800万円と言われています。これが3人分になるので1,800~2,400万円になります。
上記の手当の中には、弔慰金のような特殊なものも含まれていますが、選挙に当選したばかりの国会議員1年目の議員でも支給される、固定収入は以下のとおり。
基本給……1,552万8,000円 期末手当……635万円 文書通信交通滞在費……1,200万円 立法事務費……780万円 秘書給与……1,800~2,400万円 合計……5,967万8,000円~6,567万8,000円 *すぐ下の【その他1】で説明しておりますが、この合計に政党助成金(政党交付金)が追加される上に、議員会館(事務所)の賃料は無料、議員宿舎(住居)も超格安貸与という現物支給まであります。
【その他1】
・政党からの支給…国会議員により異なる。税金から支給される政党交付金(政党助成金)・・・政党交付金は、当選した国会議員の数と得票数によって決まるので、選挙実施の度に金額は変動します。また、交付金から各議員に支給される金額は政党ごとに異なります。
政党交付金|国民一人当たり250円の意味や政党助成金との違いを解説 2024.02.14 スマート選挙ブログ
上記ブログによれば、最新2024年度の政党助成金は、総額315億3,600万円。各政党への配分は以下のとおり。
自民党:160億5,300万円 立憲民主党:68億3,500万円 日本維新の会:33億9,400万円 公明党:29億800万円 国民民主党:11億1,900万円 れいわ新選組:6億2,900万円 社民党:2億8,800万円 参政党:1億8,900万円 教育無償化を実現する会:1億1,800万円
議員個人にいくらぐらい渡るのかは不明。国会議員の数は衆議院(465人)参議院(248人)合わせて713人。自民党・衆議院259人、参議院118人、計377人。
自民党の政党交付金160億5,300万円を、自民党の衆参国会議員総数で割ると、一人あたり約4,258万円。全額を議員個人に配るはずはないので、半分配布とすると、一人あたり約2,129万円。月額にすると約355万円、かなりの額ですね。
政党交付金を加えると、当選したばかりの新人国会議員でも、以下の金額が、全額税金から返済無用で支給されます。 5,967万8,000円~6,567万8,000円+355万円=6,322万8,000円~6,922万8,000円
しかし国会議員への公的支援は、まだまだあります。以上の金銭的助成、交付に加えて、議員会館(事務所)の賃料は無料、議員宿舎(住居)も超格安貸与という現物支給もあります。
にもかかわらず、さらに政治資金パーティで巨額の集金活動!
【その他2】
・パーティーなどの寄付…国会議員により異なる。
当然のことながら、以下のような批判にも晒されます。 政治家の資金「二重取り」のズルさ 税金315億円、さらに禁止されたはずの資金源も それでも満足できず裏金か 2023年12月24日 東京新聞
2.使途不明OKが諸悪の根源
日本の政治家、というよりも自民党の政治家はカネの亡者ではないかとさえ思えてきますが、「政治とカネ」をめぐる根本問題は、亡者のようにして手にした収入は、歳費以外は無税だという、ゆがんだ政治家特権に起因しています。
多種多様な名目で、公的資金を核にした巨額の資金が政治家の手に流れ込むにもかかわらず、政治家の全収入は、歳費以外は全て無税=帳簿に記録する必要なし=使途不明でOKという、異様な政治家特権が法的に付与されていることが諸悪の根源だと思います。
公的に給付される政治活動費にも課税するかどうかは議論の余地はありますが、1円に至るまで全額記帳する義務を課すべきです。税金の補助を受けているわけですから、その使途を明示するのは当然の義務ではありませんか。
また、収支の動きを全額きちんと記帳していると、ムダを抑えることができますし、お金の流れ、動きから政治活動を振り返ることもできます。これは、お金の管理には非常にルーズであったわたしが、大借金を抱えて潰れそうな葦書房を経営する中で、身をもって体得した経理の威力です。
法人格の有無にかかわらず、零細といえども、会社経営は私的なものではなく、公的な性質も持たざるをえということです。不可避的に要請されるその公共性は、課税を絶対とした税務署という公的な権力による監視に由来しています。
しかし、中国やロシアのような独裁権力による監視ではなく、社会を公正、平穏に維持するために、われわれ国民が日本国政府に付与した権力に由来するものですので、強制的に監視されているという意識なしに、自ら進んで公的な責任を果たそうと思える責務だといえます。
加えて、収支を記帳することは、お金を何に使ったかをあらためて省みる絶好の機会にもなります。資金支出のムダの点検には、これ以上の方法はないはずです。特に公的に支給される資金については、無駄な浪費は許されません。全額記帳して使途を明示すべきです。
使途不明OKという政治家特権は、政治活動の自由を保証するものだと岸田総理は繰り返し口にしていますが、カネの使途を記帳することがなぜ政治活動の自由を阻害するのか、全く分かりません。
例えば会食した場合、誰と会食したかまでは明示する必要はないかと思いますが、使った金額が、公的資金を使うことが許される範囲のものであるかどうかが分かる程度の記載は、必須不可欠ですね。
また、政治資金パーティなどで私的に集めた資金であっても、無税特権を受ける以上、その特権を受けるにふさわしい活動であるのかどうか、その判断が可能な程度の記載は絶対不可欠ですね。この無税特権そのものも廃止すべきですね。
それがいやなら、極力お金を使わない政治活動を行うべきです。われわれ国民は、法人であれ個人であれ、1円に至るまできちんと記帳し、お金の流れを明示する義務を負っていますし、この義務を履行することで、お金の流れを自らも明示的に把握することができています。
その際、お金の流れがより詳細に分かる複式簿記は必須不可欠ですね。わたしも、収入らしい収入には乏しいながら毎年確定申告をしていますが、自分なりに考案した複式簿記で記帳しています。超零細規模なので市販のソフトは全てが過剰すぎるので、自分で帳簿を作っています。超零細なので、単式簿記でもいいらしいのですが、単式はお金の流れは把握しにくい。
超零細だとはいえ、わたしのような高齢者でも自分で経理をして確定申告もしていますのに、政治家だけがなぜ、お金の管理ができないのか、全く理解不能です。
以下の記事には、課税される場合(一般国民)と課税されない政治家特権との違いを、数値(金額)を使った対比もなされていますので、一般国民と政治家との違いがより鮮明に伝わってきます。
国会議員が得る「お金」がどれほどか知ってますか 文書通信交通滞在費の問題は継続して議論が必要 尾藤 克之 東洋経済 2022/07/22
国会議員の収入で課税対象となるのは「歳費」のみ。あとは全て非課税。
一般国民は、部下や後輩を飲食に誘う場合は全て自分のポケットマネーから出していますし、同僚なとの飲食では割り勘。全て身銭を使っています。政治家は、飲食代は全て無税の政治活動費から出しているのでは?しかもその額は巨額!
おまけに付け加えると、国会議員が政治団体等に寄付(よくあるのが自身の政党へ寄付)し、確定申告により寄附金控除を申告し、所得税還付を受けるケースがあるという。国会で立憲民主党の議員が質問していましたが、残った裏金を自らの別の政治団体や派閥や党に寄付したりして、納税していないにもかかわらず、税の還付を受け取る、究極の税金強奪者が自民党の中にはいるはずです。
荻生田光一氏は、裏金のうち、使った金額より残ったお金の方が大きかったそうですが、その残金を派閥に寄付すると表明してましたが、解散した派閥に寄付は可能なのか?寄付して税の還付を狙っていたのでは?
ところで、松野前官房長官は、裏金問題発覚から官房長官更迭までの約2週間に、4660万円の内閣官房機密費(報償費)を自身に支出していたことが暴露されていますが、ご当人も後任の林官房長官も、ヌケヌケと国益に沿った支出だと言い放っています。
菅元官房長官も辞任前に、短期のうちに今回同様、5000万円近い機密費の支出をしていましたので、官房長官辞任前の5000万円近い機密費名目での支出は、ひそかに慣例化しているものと思われます。まさに自民党官房長官による税金強奪そのもの。恥ずかしくないのかとも思いますが、カネの亡者になっている自民党の政治家の皆さんには、恥という言葉は無縁となっています。
さらに驚くべきニュース。 小泉進次郎氏、派閥のパーティー禁止を訴えながら「1時間で600万円」の利益が出る政治資金パーティーを開催 NEWSポストセブン 2024/2/20
政治資金パーティが大問題になっている渦中に、堂々の政治資金パーティ。小進次郎氏も紛れもない銭ゲバのお一人。というよりも、猛烈な銭ゲバだと言うべきかもしれません。もちろん、進次郎氏も恥の意識など無縁ですね。
ただ、政治家は落選したらタダの人、無職、無収入になるという身分保障のない不安定な職業なので、在任中に蓄財に励むのかもしれませんが、落選した場合の再就職支援センターのようなものが必要でしょうね。
3.収支報告書のオンラインシステムは死蔵
実は11年前の2012年に、政治資金の透明化を図ろうと、オンラインシステムが導入されています。そんなシステムがあるとは、これまで見聞きしたことはありませんでしたが、先日、NHKラジオニュースで、東大だったか、有名大学の特別研究員の工藤さんという方が紹介されていて、びっくりしました。
11年前に、1億円もかけてシステムが構築されたが、収支報告書をオンラインで提出しているのは、全国会議員のうち5%ぐらいで、ほとんどの国会議員は紙での提出だという。しかし収支報告書は公開が原則なので、官僚の皆さんが紙の報告書をPDFにして公開しているそうなので、全議員713人の95%、678人分の収支報告書のPDF化の作業をやらされているとのこと。
官僚の負担が増大するだけではなく、PDFですので、閲覧する際は検索ができません。データとして活用するためには自分で抜き出してデータ化するしかなく、非常に手間暇がかかるとのこと。
というようなお話を聞いたのですが、こんなシステムあるのに一般マスコミの大半が報じていないのはなぜなのか、非常に不可解に思いながら、ネットで改めて調べたところ、国会でも取り上げられていたが分かりました。
令和4年3月8日に衆議院に提出された立憲民主党の鈴木庸介議員による、質問趣意書に対する答弁書として提出されていました。
令和四年三月八日提出 質問第二七号 政治資金収支報告書のオンライン提出に関する質問主意書 提出者 鈴木庸介
令和四年三月十八日受領 答弁第二七号 内閣衆質二〇八第二七号 令和四年三月十八日 衆議院議員鈴木庸介君提出政治資金収支報告書のオンライン提出に関する質問に対する答弁書
上記答弁書の一部を抜粋します。
「平成二十一年度から平成二十二年度までの間に「政治資金関係申請・届出オンラインシステム」(以下「システム」という。)の構築に要した経費として二億四千三十三万五千五百五十円を支出し、令和二年度におけるシステムの運用及び保守に係る経費として五千八百二十三万二千九百円を支出した」 「総務省が令和三年十一月二十六日に公表した令和二年分の国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書は六百八十三件であり、そのうちシステムの収支報告書作成ソフトを利用して作成されたものは五百四十八件、そのうちシステムにより提出されたものは三十件である。」
上記答弁書の最重要ポイントを、分かりやすい表記に変えてご紹介します。
<システム構築費用+運用保守費用>
・政治資金関係申請・届出オンラインシステムは、平成21年(2009年)~22年(2010年)にかけて、2億4033万5,550円を投じて構築された。 ・令和2年におけるシステムの運用及び保守費用は、5823万2,900円。 (保守費用の年額、5823万2,900円)
<運用状況>
・令和2年度の国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書は、683件。 ・システムの収支報告書作成ソフトを利用して作成されたものは、548件 ・システムにより提出されたものは30件。
政治資金収支報告書は683件のうち、オンライン提出されたのは30件、約4%ですが、このシステムのソフトを使って報告書を作成しているのは、548件。約80%の議員がこのシステムの存在を知っており、報告書作成のツールとして利用しているわけです。にもかかわらず、そのままデジタルデータとしては提出すれば一瞬で済むのに、オンライン提出せずに、わざわざ手間暇かけて印刷して紙で提出しているという。あきれ果てて、言葉もない!
容易に閲覧、検索が可能になるデジタルデータでの提出は拒否するという、議員の皆さんの姿勢が余りにも露骨、露骨すぎますね。収支報告書隠蔽の意図ありありすぎだ!!!
この質問主意書が出されたのは令和3年3月。2年経った昨年度実績ではシステム利用者はやや増え、約5%だそうですが、これでは、自民党はもとより、鈴木議員の属する立憲民主党の議員の大半も未だ紙での提出のようです。
国会議員のみを対象にしたこのシステム構築費用は、工藤さんは1億円と言われていましたが、その倍以上、2億4000万円以上もかかっています。おまけに、毎年6000万円もの保守管理費用も払っているという。
しかし、オンライン提出はほとんどなされず紙で提出されていますので、官僚たちはWEBに載せるために報告書をPDF化する作業を強いられています。実際にはPDFではなく画像化されているらしいですが、どちらにせよ、膨大な作業量になります。
当然のことながら残業は不可避。官僚に過重労働を強いる結果になり、彼らの心身の健康を損なうだけではなく、残業代という新たな費用も発生。意味のない税金の浪費をも招いています。
国会議員たちは、自己保身以外何も考えていないという実態を目の当たりにして、わたしはかなりのショックを受けています。自民党をトップとする議員の皆さんは、自らはデジタル化を拒否する一方、国民に対してのみ、個人情報のデジタル化を強制していますが、余りにも筋が通らぬ、身勝手すぎる対応ではありませんか。
岸田総理は、率先垂範してオンライン提出をなさっているのでしょうね。率先垂範できないのであれば、総理大臣の資格も各種大臣の資格も、党の要職に就く資格はないと自覚すべきです。
政治家の皆さんは、あらためて以下のシステムの意義を確認すべし。
政治資金収支報告書、届出のオンラインシステム 総務省 「国会議員関係政治団体は収支報告書のオンライン提出に努める義務があります。(政治資金規正法第19条の15の規定)」
政府機関においてさえデジタル化による情報公開を拒否していますので、ある意味当然ですが、自治体においても情報公開拒否が長年続いていたという。その後、公開拒否の自治体の数も徐々に減り、現在では新潟県が唯一非公開をつづけているらしいですが、新潟県をめぐる以下の記事は、日本の政治家の情報公開の拒否の根深さを象徴的に示していると思います。この点では、中央も地方も同じ。
政治資金収支報告書のネット公開 全国で唯一見送った新潟県 2023年11月28日
上記記事によれば、アメリカの政治家は巨額の寄付を集めますが、全てデータ化され、検索も可能だという。寄付する側の情報も全て公開されますが。 参照:政治資金センター みんなで調べよう政治とカネ
4.政治家に特権付与の資格はありや?
以上見てきたように、国会議員は歳費以外にも様々な名目で公的な補助を受けていますが、岸田総理をはじめ自民党議員の皆さんは、無税、使途不明OKという政治家特権は必要だと主張しています。特権付与にふさわしい仕事をしているから当然だと思っているようです。
では、短期の民主党政権を除くと、長期にわたって、ほぼ自民党政権が続いてきた結果の、日本の現在の様子を見ることにいたしましょう。
1.GDPが、人口が日本の約7割のドイツに抜かれ、4位に転落。異常な円安やドイツの異様な物価高など、必ずしもドイツの景気が上昇した結果ではないとのことですが、日本の円安やドイツの物価高などは以前から続く傾向です。特にドイツは日本以上にウクライナ戦争の影響をモロに受け、対中貿易も激減。そんな中でGDPが日本以下にならなかったというのは、日本に反省を強いる状況だと思います。
2.人口2000万人という、日本の人口の6分の一にすぎない台湾のTSMCを、政府は巨額の国費を投じて日本に誘致。さらに、第2工場も熊本県内に建設するとの方針もTSMCから発表されており、日本経済上昇への起爆剤になりそうな展開で、熊本、九州のみならず、日本中に元気をもたらしてくれています。
かつて世界一を誇っていた日本の半導体は、事実上アメリカに潰されて低迷を余儀なくされてきました。民間企業とはいえ、政治的な圧力で低迷を余儀なくされてきた以上、日本政府はアメリカと調整しつつ、その再生に向けた支援をなすべきであるにもかかわらず、歴代自民党政権は何もしていません。
ここに来て政府は巨額の補助金を提示して、世界最大の半導体メーカーTSMCの誘致に成功しましたが、TSMCは台湾政府が、アメリカの半導体メーカの社長を務めていた、台湾出身のTSMCの創業者となった張忠謀(モリス・チャン)氏を台湾に呼び戻し、国策としてTSMCを作らせたという。(モリス・チャン Wikipedia)
張忠謀氏が非常に優秀だったので、台湾政府によるこの壮大な国策も成功したのだと思いますが、時代が何を求めているか、それを見極める目が台湾政府にはあったということです。
TSMCの創業者のみならず、株価沸騰で話題のアメリカの半導体メーカーのNVIDIAも、NVIDIAを追うAMDも台湾人が創業者であり、CEOを務めています。日本では、地元の熊本大学がTSMC進出決定後、大急ぎで人材育成の準備を始めています。日本のベンチャーがアメリカで半導体企業を創業などということは、夢のまた夢。それどころか、IT技術者の多くを外国人に頼っている有様です。官邸の教育予算配分の選別力を強化した結果がこのザマです。
3.それどころ岸田総理は、過去の自民党政権が韓国に日本の半藤技術を無償で提供したその手法をそのまま真似て、時代の最先端をゆく量子コンピュータ技術まで、韓国に無償供与する売国策を発表しました。(韓国に貢ぐ岸田総理!)この売国策を提言した側近政治家もいるはずですが、日本の技術と技術者は、アホな政治家どもに潰され続けることになります。わたしの批判が届いて思いとどまってくれることを切に願っています。
この件で朗報あり!(2/26) 量子コンピューター新会社、富士通や日立参画 商用化へ 【イブニングスクープ】日経新聞 2024年2月26日 18:00
4.韓国といえば、先日、徴用工裁判で、韓国の最高裁が、日立造船が裁判所に預けていた供託金670万円を引き出し原告に渡すことを認め、一方的に没収されてしまいました。これまでは韓国では、日本企業に賠償を求める裁判がいくつも起こされていますが、実際に実害が出たのは初めてです。
しかし林官房長官は、例によって「遺憾」の意を表明するだけ。対抗措置を取る気配はゼロ。岸田政権には、日本企業を守るという意思はゼロ。岸田政権下で初めて、日本企業に実害が出たという責任は微塵も感じていない様子です。
また、麻生副総理の、女性差別発言で話題になった上川外務大臣も、ブラジルで開かれていたG20サミットで韓国の外相と会談した際も、友好優先で、日本企業の財産没収には、林官房長官同様、型どおりの遺憾の意を伝えただけ。
遺憾表明で済むなら子どもにも大臣は務まります。国益を毀損するだけの安易な外交しかできない政治家に、なぜ特権享受が許されるのか。
もっとも、仮に立憲民主党の政権下ならば、型どおりの遺憾表明すらないかもしれないという不安は拭えません。どうなのか、泉代表に聞いてみたいですね。
安倍政権下では、国内向けには、韓国政府の反日政策には明確に反論、批判する一方、世界大規模でまき散らされていた統一教会の強烈な反日教義に対しては、徹底した不可侵姿勢を貫いていたことが死後に判明しました。どちらも恐ろしい。
韓国政府・国民と日本の政治家の皆さんには、以下のブログを是非ともお読みいただきたい。
韓国人へ。事実を見よ!(このサイトに掲載の「戦前日本在住朝鮮人関係新聞記事検索」に関し、追記しております。) 参照:韓国関連ブログ
5.子どもを産むことはおろか、結婚すらできない若者を大勢生み出し、人口減少が加速。人手不足を移民労働で埋め合わせる状況を促進させてきました。
以上のような国益毀損の政策を、歴代政権は延々と続けてきたわけです。そんな政治しかできない政治家に、なぜ特権を付与する必要があるのですか。恥ずかしいと思いなさい!
*3/1 昨日と今日、政治倫理審査会での安倍派。二階派元幹部と野党とのやり取りを聞いて、政治活動資金を無税とする政治家特権は、日本の政治にとってはプラスになるどころかマイナスでしかないことを痛感させられました。
「使途不明」もOKとする異様な政治家特権が認められている状況下では、記帳するだけでは、厚顔無恥の銭ゲバ政治家の不正抑止にはならないことがよく分かりました。政治活動資金か否かを検証することは全く無意味。
政治資金パーティで集め寄付金は、明らかに政治家商売によって得た収入です。全額収入と認定して課税すべきです。当然、一般国民と全く同様にきちんと経理処理をして納税する。(3/1)
5.荻生田光一氏と盛山文科大臣
裏金問題をめぐって、大金を手にしていた自民党の一部議員が政治倫理審査会に出席することになりましたが、安倍派五人衆の一人で、2728万円の裏金を手にした荻生田光一氏はなぜか、出席しません。事務総長には就いていないかえからだとのことらしいですが、幹部として責任ないはずはありません。それ以上に、荻生田氏個人として、国民対して説明する責任はありますよ。
荻生田氏は、統一教会問題でも全く説明責任を果たさぬままですが、裏金問題でも説明拒否を貫くつもりらしい。これほど無責任な人物が政治家であることが許されるのか。
しかも、使ったお金の使い道は不明。使途については分かり次第、明らかにするが、現時点では全て使途不明でとして訂正。それで通用、OKよ!残金は手許で保管していても、つまりは政治資金として使っていなくても課税はなし。
政治資金は現時点では無税だとはいえ、使途不明で、なぜ、納税の義務のない政治資金と認められるのか。荻生田氏も、政治倫理審査会に出席して説明すべきではないですか。
荻生田氏は、統一教会問題では説明責任を果たさぬままで、盛山文科大臣のようにボロを出さずにすり抜けたようですが、統一教会問題もまだ終わってはいません。
盛山文科大臣は、超濃厚すぎる統一教会との関係を完全に隠した上に、発覚後はふざけきった説明を繰り返すその対応ぶりに、わたしも盛山文科大臣を厳しく批判しましたが、荻生田氏は、もっと日常的に統一教会との関係を維持してきており、両氏は、統一教会との関係の濃厚さでは、甲乙付けがたいほど際だっています。
盛山氏も岸田総理も現在は関係を断っていると釈明していますが、盛山氏の事務所には、今も統一教会関係の機関誌が送られていることも暴露されています。盛山氏は、勝手に送られてきていると弁明していますが、代金を払っているから機関誌が送られてくるのではありませんか。代金を払わずとも機関誌が送られてくるのであれば、他の議員にも送られてくるはずですが、そういうニュースはゼロですね。
統一教会に関しては、22日に、東京地裁にて審問が実施されたとのことで、表面的には、解散請求に向けた動きは滞ることなく続いているようには見えます。
旧統一教会への解散命令請求、東京地裁が「審問」実施…文科省と教団が意見述べる 2024/02/22
しかし、この審問は非公開とのことなので、文科省(岸田政権)がどこまで本気で統一教会を解散に追い込む覚悟で対応しているのかどうかは、今のところは不明です。
また、信者2世が、審問が非公開であることに関し、われわれの知らないところで事が決まってしまうということがないように、国には、審問の過程も含めて情報を伝えて欲しいとの危惧も出されています。ただ、この信者2世の声を伝えたNHKのWEBニュースは、わたしが保存する前に削除されてしまいましたので、概略をお伝えします。
参照:旧統一教会「審問」前に弁護士グループが会見“迅速な審理を 2024年2月22日 NHK
統一教会問題は、今後とも、裁判での動きに注視する必要があると思います。その過程で、岸田総理と盛山大臣の釈明の真偽のほども明らかになってくるはずです。