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被害者切り棄ての政府案

被害者救済法案への提案では、マインドコントロールを軽視する提案をしましたが、その後考えを改めまして、北朝鮮のお役目の最後に見出しを立てずに、マインドコントロールを基本条件とする野党案の成立を望むと一言付記しました。しかしこの訂正でも、わたしの被害者救済法案に対する理解は非常に不足していたことに気づかされ、政府案を検証したところ、大ザル法であることが分かりました。その検証報告です

1.恐怖の政府案

先週の金曜日(11/18)、車走行中に国会中継を聞いていたのですが、質問に立った立憲民主党の長妻昭政調会長が、政府案の問題点の核心がマインドコントロールにあることを指摘するとともに、マインドコントロール規定のない政府案に対して、非常に説得力のある批判を展開していました。

長妻議員のこの政府案批判を通して、救済法案にマインドコントロール規定は必須不可欠であることが心底理解できましたが、同時にわたしは自分の不明を恥じ、改めて政府案の問題点を検証することにしました。

長妻議員の指摘で蒙が啓かれたのも同然でしたので、長妻議員や立憲民主党の主張を参照しつつ、また野党側に示した政府案概要も参照しつつ、改めて岸田政権の統一教会に対する姿勢を検証することにいたします。

長妻議員が国会で指摘した政府案の問題点は、一言でいえば、「入り口が狭すぎて入れない」ということ、つまりは被害者救済には役に立たないということです。長妻議員が指摘する政府案の問題点を、以下の立憲民主党のHPから転載します。

参照元:政府新法「非常にがっかりする内容」と長妻政調会長 旧統一教会被害救済の与野党4党協議 2022年11月18日 立憲民主党

■政府案の寄付の規制

 政府案の寄付の規制は、「禁止行為(により)→困惑(して)→寄付(の意思表示)」という場合に取り消すことができる仕組みですが、問題となっている、いわゆるマインドコントロール下にあり、(困惑もせず)進んでする寄付は対象外となってしまう。

さらに契約ごとに禁止行為であるか否かを認定しなければならないという使い勝手の悪さに加え、「寄付をすることが『必要不可欠』であることを告げる」という要件が付されており、現行の消費者契約法等よりも旧統一教会の被害者救済は困難になる。

■家族の救済

献金をした本人が無資力でなければ使えないという条件がついている上に、取り戻すことができるのは全額ではなく扶養請求権等の範囲内に限定されるとの条件付き。

■その他の問題点

 (1)自発的に借り入れや、住居を処分して献金しても規制できない(2)借り入れや住居を売らない範囲の献金は規制の対象外と誤認されかねない(3)個人から法人に対する寄付のみを対象としているが、法人のみでは対象が狭すぎる(4)取消権の行使期間が10年と短い。行使期間を民法にそろえるべき。

政府新法「非常にがっかりする内容」と長妻政調会長 旧統一教会被害救済の与野党4党協議

(*民法では20年⇒民法第126条(取消権の期間の制限)民法条文解説.com

政府案概要PDFも立憲民主党のHPからダウンロードしたものですが、問題点にマーカーを入れて当サイトでも公開しております。

政府案概要PDF

上記問題点をさらに分かりやすく解説すると以下のようになりますが、政府案概要も参照しております。

1.規制対象が法人に限定されている。仮に、宗教法人格を持たない統一教会の関連団体が禁止行為(不法行為)を行っても、処罰対象にはならないとう、大ザル法!
以下、法人を統一教会と読み替えてください。

2.その法人が不法な方法で勧誘して巨額な寄付や巨額な物品の購入を強制しても、当人が困惑せずに、法人の求めに応じた場合は処罰の対象にはならない。

3.ここでマインドコントロール規定の有無が重大な意味をもってくるわけです。例えば、山上容疑者の母親のように、家庭を破壊し、子供たちを困窮に追いやっても、当人が進んで巨額献金を続けている場合は、次の4のケースのような場合を除いては、基本的には、処罰の対象にはならない。

4.除外規定は、本人が無資力(お金がない)場合。

5.請求を困難にする様々な条件をクリアして、仮に家族が返還請求をして認められた場合でも、「全額ではなく扶養請求権等の範囲内に限定される」ということ。成人したりして親の扶養からはずれた家族には返還されない。扶養下にあっても、扶養年限(18歳)までの分しか返還されない。例えば、裁判時に請求者が15歳の場合は、残りの3年分しか返還されない。しかも生活や養育に必要な金額を算定して、その分しか返還されない。山上容疑者の場合は、成人していますので請求することはできない。

6.裁判をする場合、「契約ごとに禁止行為であるか否かを認定しなければならない」。寄付が30回、50回となれば、一つ一つ、不法行為であるか否かを30回、50回と認定を繰り返さなければならない。膨大な時間を要するだけではなく、裁判費用も膨大なものになりますね。勝てば裁判費用も相手側に払わせることになるはずですが、この煩雑さは、裁判阻止を狙ったものであることは明々白々。

7.さらには、寄付をすることが『必要不可欠』であることを告げる」という要件付き。この強制語なしに寄付をさせた場合は、処罰の対象にはならない。マインドコントロール下にある信者は、自ら進んで寄付をしますので、問題なし。OKよ。「現行の消費者契約法等よりも旧統一教会の被害者救済は困難になるという」正体見たり、政府案。

8.「自発的に借り入れや、住居を処分して献金しても規制できない」、ここでも「困惑」(マインドコントロール)の有無が規制の有無のカギを握っています。住居についても居住している建物は規制の対象になっていますが、当人が住んでいない建物を売って献金することは規制の対象にはならない。また、家族が死亡して手にした死亡保険金は、寄付規制の対象にはならない。

9.「個人から法人に対する寄付のみを対象」、余り例はないかもしれませんが、会社や団体などからの寄付は無制限。仮に個人資産を資産管理団体などで管理している場合(かなりの大金持ちですが)などは、その団体からの寄付だとすれば無制限でOK.

政府案は以上のような内容です。被害者救済法案ではなく、まさに統一教会守護法案そのもの。自民党内にも余りにもひどいと感じている議員も、少数ながらいるはず。それほどひどい内容ですが、自民党内にも事前には知らされてなかったらしい。

官邸のHPを見ても、岸田総理の活躍ぶりを宣伝する広報オンリーで、眼前の緊急課題である統一教会に関する情報は皆無。政府案概要も公開されていません。

これが岸田総理の本性だったのかと、背筋が凍る思いに襲われています。統一教会との関係は、他の自民党議員に比べると比較的に薄いと思われていた岸田総理下で、統一教会の毒牙から国民を守る対策が実行されなければ、自公政権下では統一教会に対する対策実行は、永遠に不可能だと思われたからです。

2.岸田総理をめぐる諸問題

そう言えば、岸田総理は世間の批判もどこ吹く風とばかり、ご子息を首相秘書官に抜擢しました。若いご子息秘書官は、官邸のネット発信にも力を入れるとのことだったようですが、父親の業績宣伝が主たる任務だったのでは?公私混同の極みでは?

岸田官邸はこんな疑惑をも招きかねない状況ですが、統一教会との関係ズブズブの荻生田氏を「被害者救済法案」の調整役に任命したのは、理解不能な人事でした。

「何考えているのか?」岸田首相、旧統一教会「被害者救済法案」調整役に萩生田政調会長を指名 あきれる人が続出
11/9(水) FLASH

この人事には心底驚愕しましたが、統一教会に対して厳しく対応しなければ、岸田政権はもとより、自民党政権の存続は不可能な状況に置かれていることは百も承知のはずですので、岸田総理はこの人事で一発逆転を狙おうとしているのでは?と推測していました。

これまでのような、統一教会擁護の姿勢では荻生田氏はもとより、岸田総理の前途も真っ暗なので、あえて荻生田氏を起用して統一教会を壊滅に追い込み、被害者を完全救済するような法案を作るのでは?と考えていました。

あえて好意的に見ていたのではなく、統一教会を本気で壊滅に追い込むような対策を実行する以外に、彼らが政治家として生き延びる道は残されていないからです。

しかし結果は全く逆に向かっています。我々国民を完全になめ切っているのか、あるいは統一教会を守るために、自らの政治生命を犠牲にしてもいいとまで覚悟をしているのか。

救済法案が大ザル法になったのは、公明党への配慮の結果だと指摘する声もあります。公明党の支持母体である創価学会も、昔から高額なお墓を買わされたとか、財務と称する寄付をめぐるトラブルなどが問題になっていますので、自民党としては統一教会のみならず、公明党(創価学会)にも気を遣わざるをえません。

しかし公明党(創価学会)が、現行の消費者契約法の適用条件を厳しくして、宗教法人により有利になるように、現行法よりも規制を緩和することまで要求するとはちょっと考えにくいはず。

現行法の規制を緩和するために、適用条件を厳しくするという政府案の内容は、調整役の荻生田氏を介して統一教会から密かに伝えられたのではないか。

よりにもよって、荻生田氏を救済法案の調整役に任命したということは、統一教会との関係抜きにはありえません。ただし、統一教会とのズブズブの荻生田氏が担うべき役目とは、次の2択のいずれかです。

統一教会との関係から一気に脱却するシンボル的存在として。もう一つは、ズブズブ度をさらに強めて、統一教会と自民党との密着度を高める推進役として。結果は後者でした。

わたしはいくら何でも、自民党と岸田総理が自滅の道を選択するとは想像もしていませんでしたので、当初案よりもさらに後退した政府案を見て衝撃を受けています。荻生田氏を調整役に任命したのは、統一教会の意向を政府案に反映させるためであったことが明白になったからです。とするとこの人事は恐怖そのもの。

さらに荻生田氏は、更迭された山際大志郎前経済再生担当相を、自分が新型コロナ対策本部の本部長に任命したと語っています。自民党総裁でもある岸田総理は、自民党の人事権を事実上荻生田氏に移譲しているように見えますが、こうした歪な関係は、自民党内における統一教会の影響力が今なお強力であることの反映ではないかと思われます。

岸田総理は個人的な不祥事も明らかになっています。つい最近では、宛名や但し書きのない領収書が大量に見つかったという。これでは領収書の役目は果たせません。捏造された領収書では?もしそうでないのであれば、国民(個人、法人)にも同様の税務書類の適用を許可していただきたい。

岸田総理は、強欲さや不正などとは縁遠いような印象でしたが、そうではなかったのですか。がっかりですね。

歴代の自民党政権が長年にわたって、見殺しにしてきた統一教会の被害者の方々、長妻議員は、日本人が食い物にされてきたと繰り返し指摘していましたが、統一教会の食い物にされてきた大勢の日本人被害者を救済することこそが、日本国の総理大臣の役目ではありませんか。

統一教会との密着した関係故に銃殺された安倍元総理の跡を継いだ岸田総理には、食い物にされ続けてきた日本人被害者を見殺しにしてきた歴代自民党政権の罪を一身に引き受けて、被害者を救済し、統一教会を壊滅する責務があるはずです。

今朝の西日本新聞には、共同通信が実施した世論調査の結果が出ていました。岸田内閣の不支持率は51.6%!支持率も4.5%も下がって33.1%。

被害者救済法案の政府案に対する批判もかなりなもの。「マインドコントロール(洗脳)された人の寄付の取り消し規定が必要との回答が75.8%に上った」とのことです。

岸田内閣のみならず自民党の存亡に関わる状況にあることを自覚すべきでしょうね。公明党はいかなる状況であれ、創価学会という強力な支持母体に守られているとはいえ、その神通力も永遠では無いはずです。政治の使命は全国民を守ることにあります。

ちなみに、国民民主党は、この政府案に賛成です。政府案を吟味した上での賛成なのか。だとしたら恐ろしい。

維新の会も賛成に回りました。それどころか、今日(11/28)の国会審議では、維新の会の馬場代表は、この政府案の早期成立を迫っていました。しかも事もあろうに馬場代表は岸田総理に対して、銃撃事件で命を奪われた安倍元総理の遺徳を引き継いで、法案成立の決断をしていただきたいと、岸田総理に繰り返し要請していました。

馬場代表は事件後、統一教会を擁護する発言をしていましたが、国会で、ここまで露骨に統一教会救済法案の成立を迫るとは、驚愕を通り越して恐怖そのもの。

統一教会の日本政界に対する侵食力には恐怖を覚えています。