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腐敗に沈む日本と統一教会

久々のブログ更新ですが、統一教会がいかに日本の政治を蝕み続けてきたか、その底なしの浸透ぶりには背筋が凍る思いです。

1.統一教会の解散以外に政治への影響力排除は不可能

統一教会と関係ありと認めた国会議員は安倍派が最も多いとはいえ、その影響力は、派閥を超えて自民党全体に及んでいることは否定できない事実です。

先頃行われた沖縄知事選では、自公が推薦した佐喜真候補も統一教会との関係濃厚だったとのことですが、その事実が暴露されると、佐喜真氏は、今後は統一教会との関係は断つと宣言したそうです。しかし実際には佐喜真氏は、この知事選でも統一教会の支援を受けていたという。堂々たる二枚舌。当然のことながら、二枚舌候補は落選。

しかし統一教会の地方への浸透は沖縄だけではなく、全国津々浦々にまで及んでいることも、安倍元総理殺害事件をきっかけで明らかになりました。これほど広く深く浸透し、長い年月に渡ってつながりを維持してきた統一教会との関係を、今後は関係を断つと茂木幹事長が口頭で宣言しても、佐喜真二枚舌候補同様、ほとんどどころか、全く実効性を持たないことは明白です。

自民党が本気で統一教会との関係を断ち、被害者を救済するとともに、新たな被害者を二度と出さないと決意するのであれば、それを証明するのはただ一つ、統一教会を解散させること、それ以外にはないはずです。

統一教会に関する野党のヒヤリングでは、所管庁である文化庁に対して、なぜ解散命令を出さないのかという質問をしたそうですが、この質問に対して文化庁は、統一教会が刑事罰を受けていないからと答えたそうです。

しかし全国霊感商法対策弁護士連絡会は、「宗教法人法の解散事由は法令違反か目的逸脱行為を規定されているのであって刑事罰違反に限定されていない」との声明を発表したという。

「政府は旧統一教会の解散請求できる」弁護士連絡会 2022/09/16 ニュースソクラ編集部

紀藤弁護士も「伝道や献金などが民事(訴訟)で違法とされても、行政は何もしなかった。刑事事件の捜査も途中で止まっている。行政の怠慢はとても罪深い」と批判した。」という。

紀藤氏「行政の怠慢、罪深い」 旧統一教会問題で批判 9/15  共同通信(Yahoo) 

宗教法人の解散事由は刑事罰にのみ限定されていないにもかかわらず、刑事罰違反がないことを理由に、違法行為を繰り返す統一教会を野放しにしてきただけではなく、密接な関係を維持してきた政権与党である自民党は、犯罪者集団と結託して政権を維持してきたも同然です。

統一教会の違法、犯罪を野放しにしてきた文化庁の怠慢は、時の政権の意向を反映したものであることは明らかですが、刑事罰での摘発がなされなかったのも、時の政権の意向を反映したものであることも言うまでもありません。

統一教会の宗教法人格を剥奪せよ!でもご紹介しましましたが、菅前総理は、官房長官時代に統一教会幹部を官邸に招いたという。
旧統一教会幹部ご一行を“歓迎”した菅官房長官、高村副総裁らの思惑
2017/07/13 朝日新聞

安倍元総理の意向でもあったのだろうと思いますが、官邸にまで招いたということは、信者を欺くための強力な宣伝効果を発揮しただけではなく、統一教会の一切の違法・無法は全て免罪される、一切罪は問うな!という、強力なメッセージ効果も発揮しており、捜査機関や関係機関の動きを止めたであろうことも明白です。

やがて開かれる臨時国会では、統一教会がなぜ解散させられなかったのかを徹底的に追求すべきです。文化庁・文科省のみならず、捜査機関もなぜ捜査に動かなかったのかも追求すべきです。

2.腐敗に沈む日本と統一教会

日本では、政府自らが犯罪的宗教団体統一教会の犯罪行為を幇助してきたわけです。統一教会のような犯罪が犯罪として摘発されないのであれば、法を遵守すべき公的機関においても、何をやっても許されるというモラルの崩壊が始まっても不思議はありません。むしろ当然の結果だというべきでしょう。

コロナ関連の助成金をめぐって経産省のお役人による不正(詐欺)が発覚しました。お役人の不正は昔から多々発生していますが、国の助成金を詐取するなどという、国庫の鍵を開け、直接税金を盗みとるに等しい不正は、まさに前代未聞。同様の不正は国税庁でも発生しています。

また、民営化された郵便局(日本郵便)では、保険の売上を達成するために、高齢者をペテンにかけて不当に高齢者の資産を巻き上げるという、民間企業でも起こりえない異常な事件が多発、世間を震撼させました。

事件発覚当時は、なぜこれほどまでにモラルが崩壊しきってしまったのか、その背後事情は全く分かりませんでしたが、半年ほど前だったか、当時の日本郵便の副社長は、経産省のお役人が出向していたことを知り、謎が解けました。

社長は確か三井住友出身でしたが、経産省のお役人が副社長ならば、実権は副社長にあったはず。おまけにもう一人の副社長はアメリカ人だったという。アメリカ人ならば、業績を上げて役員報酬の最大化を可能にするような売上増を要求した可能性はあります。

しかし社長が実権を握っていたならば、既存顧客の高齢者を騙して、二重三重に資産を巻き上げるというあくどすぎる営業を認めるとは思えません。本来ならば、日本郵便は詐欺罪で摘発されても当然だと思いますが、与えた損害を賠償するということで、免罪されたような結果になっています。

しかし損害を賠償すれば、罪は一切問われないのでしょうか。手口のあくどさ、被害者の多さからしても、詐欺罪で罪を問われるべきだったのではないか。詐欺手法の真の首謀者は姿を隠したまま、末端の担当者だけが悪人扱いにされて幕引きがなされたような印象です。

極めつけが、目下大問題になっている前代未聞の五輪汚職です。他に例のない、世界的大イベント。五輪は招致活動段階で、すでに巨額のお金が飛び交う汚職の温床になっているとはいえ、開催国で、今日本で現在進行形で明らかになりつつある、超異常な超巨額の汚職が発生した国は日本以外にはありません。

東京五輪まで電通丸投げであったことがこの事件で初めて分かり、愕然としましたが、公と民との境界が完全に崩れてしまっている、今の日本の状況を象徴しているように思います。すなわち、公としての公正さがほぼ消滅しているということです。

この東京五輪は、初っぱなから不正問題が頻発していましたが、日本の行政機関、政府機関が本来持つべきはずの、公正さや国民への奉仕者であるという公僕としての厳正さや誇りの消滅が、不正頻発を誘発したことは言うまでもありません。

その極めつけが、超巨額汚職の東京五輪です。事実上、五輪を仕切っていたという元理事の高橋治之容疑者は電通出身の民間人であったとはいえ、国家的行事として行われる東京五輪の理事という職責は、当然のことながら公務員に準じる倫理規定が求められる立場にありました。

高橋容疑者当人が自覚していたか否かに関わりなく、日本五輪組織委員会は理事を委嘱するに際しては、当人に対して倫理規定を遵守することを確認した上で正式に委嘱していたはずです。

しかし真正の公務員である国会議員(総理大臣をはじめ各大臣や衆参両議員)そのものが、国民の生命・財産や暮らしを守るどころか、国民を生贄にしてまでも我が身と我が暮らしを守ることを第一義にした行動を平然と取り続ける日本においては、公が公としての機能を果たさなくなっているわけです。

現下の日本においては統一教会が野放しにされているだけではなく、政治の手厚い保護の下で、日本人が統一教会の生贄として差し出されています。昨日(9/20)、宗教法人を所管する文化庁は、今後ともこの路線を継続すべきだという声明を発表しました。

統一教会に解散命令を出すべきだとの世論の高まりを受けて、文化庁は「宗教法人への解散命令は慎重であるべきだ」との、統一教会擁護の声明を出しました。この声明は、日本の行政機関=政府は国民を守るためにあるのではなく、政治家の利益=統一教会を守るために存在することを臆面もなくさらけ出したものです。

都倉俊一文化庁長官の意向なのか、その上の永岡桂子文科大臣の意向なのか、あるいはトップの岸田総理の意向なのか。いずれにせよ、この文化庁の臆面もない恥知らずな声明は、政治を中心にした日本の中枢が、統一教会にハイジャックされていることを改めて証明したものにほかなりません。

ここまで開き直られると、政府に任せていたのでは統一教会から国民を守ることは不可能です。近々開かれる予定らしい臨時国会で、統一教会に対してなぜ解散命令を出すことができないのか。捜査機関による統一教会への捜査が停止していることも含めて、徹底的に審議すべだと思います。

ただ一つ付け加えると、前代未聞の超巨額な五輪汚職は、徹底した情報統制下、検察人事までをも含めて、官邸が全てを牛耳っていた安倍・菅政権下では隠蔽されたままであったということについては、今一度確認しておきたいと思います。

とはいえ、岸田総理が早々と決定した安倍元総理の国葬は、統一教会の毒牙から日本国民を守るという喫緊の課題とは真逆の判断であることも強調しておきたい。

おまけに国葬には、国民を弾圧し続けているミャンマー軍政を招待しているという。軍事独裁政権を維持するために、今現在も自国民を惨殺し続けている軍政を招くとは、理解不能。