「葦の葉ブログ2nd」より転載
長期に渡って続く超異常豪雨に襲われる中、コロナデルタ株が猛威を振るっています。二重三重の災害に見舞われ、立ち上がる気力も失せてしまいそうな悲惨な光景が日本各地に広がっていますが、菅政権の動きは信じがたいほどに鈍い。なぜなのか。また国内外で猛烈な非難を浴びている、入管施設でのスリランカ人女性の死亡事件の背後事情についても触れてみたいと思います。
1. 線状降水帯とマントル掘削
梅雨の時期も日本各地は異常豪雨に襲われましたが、梅雨も終わり、猛烈な暑さとともに久々に夏の青空が戻ってきました。しかしそれも束の間。お盆間近になってまたもや梅雨以上の異常豪雨に襲われ続けています。ただ事情の把握しやすい九州に限ってみると、異常豪雨は同じような地域を繰り返し襲っています。
同じ地域とはいえ、ほぼ九州全域が含まれる、つまり九州全域が繰り返し異常気象に襲われているわけですが、福岡県でいえば、筑後地方が集中的に襲われています。一方、福岡市は毎年、異常というほどの影響はほとんどありません。
ただ今年の豪雨は福岡市にも多少は影響があり、かなり激しい雨の中でのお墓参りになりました。三多の死後が亡くなってから27年、毎年お盆にもお墓参りをしていますが、こんな雨に見舞われたのは初めてです。
しかし道路がえぐられ、家が押し流されるほどの被害に見舞われている被災地に比べれば、激しい雨とはいえ、福岡市はまだまだ軽いのも事実です。昨年、津波のような異常豪雨に襲われた熊本県の球磨川近辺各地は、今年も梅雨の豪雨もお盆の豪雨にも繰り返し襲われています。佐賀や大分県の日田地方も集中的に襲われています。最近は、鹿児島や宮崎も加わっています。
農業、観光、酒蔵などへの被害、お祭りなどの伝統行事も中止。暮らしに甚大な被害が出ていることは周知のとおりです。加えてコロナ禍。筑後地方は福岡県下最大の農業地帯ですがここ4,5年は毎年豪雨に襲われ、農業を諦める農家も出てきています。
世界各地でも異常気象が発生していますが、日本のように毎年毎年、津波のような被害をもたらす異常豪雨に襲われ続けている国は他にはありません。これらの異常豪雨は、線状降水帯という非常に分かりやすい名称を付与された気象現象が正体の一つとなっていますが、津波のような巨大な豪雨をもたらす線状降水帯は、その発生は事前には把握できず、発生後後にしか把握できないという超怪奇な現象です。
趙巨大な雨の素となる雲の塊を抱えた線状降水帯が、ほんとうに天然自然に発生するものであるならば、物理的に考えても、雲の動きや気流の動きなどが事前に把握できないはずはありません。
気象庁は、今の技術では線状降水帯の事前予測は不可能だとしていますが、従来の観測手法では不可能だと言うべきではありませんか。従来の観測手法では把握不可能なほど、短時間に線状降水帯を発生させるのは天然自然によるものではなく、人為的な操作によってでしかありえぬことは明白ではありませんか。
この超怪奇な異常気象は、現在の技術では観測が不可能なのではなく、日本の気象庁は予測可能な観測機器を持っていないというのが真相だと思われます。この怪奇気象は、従来の気象学の範疇を越えた領域横断的な知見や技術などを総動員して観測すべきだと思われますが、ミサイル攻撃以上の破壊力をもつ異常豪雨は、国防上の重大な問題でもありますので、防衛省もこの怪奇気象の正体解明とその防御体制を構築すべきではありませんか。
最近は日本近海でも台風が発生するようになっています。日本近海で発生するので規模も大きく、上陸地もかつてはありえなかったような地域も襲われます。近年、日本近海の海水温が上昇していることが、線状降水帯や日本近海での台風の発生を可能にしているようですが、なぜ日本近海の水温が上昇しているのか。
その原因の一つが、マントル掘削だと思われます。いつだったか、東大の地震研が、東南海地震予測のためと称して、深海探査船「ちきゅう」を使ってマントル掘削を実施すると発表していましたが、「ちきゅう」を管理する国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)(研究プラットフォーム運用開発部門)のサイトを見ると、「ちきゅう」はマントル掘削を目的に2005年に、世界最深の海底掘削船として建造されたもので、国を挙げてマントル掘削を進めているらしい。(マントルとは?)
おまけに、マントル掘削推進のための別の組織日本地球掘削コンソーシアムまであり、日本政府は、巨額の税金を投じてマントル掘削を支援しています。マントル掘削を専門にしている民間企業まであることが分かりましたが、そういう企業にも「ちきゅう」は貸し出されているらしい。道理で、日本近海の海が高温になるはずです。
海底探査は地球の成り立ちを調べたり、海底資源の調査などにも役立つので必要な研究だとは思いますが、マントルの掘削が、海水温上昇の原因になっている可能性は非常に高いのではないか。
地上では、マントルから発せられる熱は地熱発電(地球の中)に使われるほどですので、海底でも、マントルに向けて掘削すれば、マントルそのものにまで達せずとも、マントルから発せれれる高温が海水温を上昇させるのは必然の結果ではないですか。
海水温を上昇させる危険性のあるマントル掘削で地震の原因を探るのではなく、これまで何度もご紹介してきた、上田誠也東大名誉教授が紹介されていた電磁気観測こそが、地震のみならず、異常気象の予測や原因究明にははるかに役立つはずです。その観測図を以下に再掲します。
各種の地震電磁気異常の観測図 上田誠也氏講演「地震予知研究の歴史と現状」より (なお上田誠也氏のこの講演録は、現在はWEBからは消されていますので、勝手ながら、当サイトにて公開させていただいております。)
地震や異常気象の観測には非常に有効だったからと思われますが、国の予算を使ったわけでもないにもかかわらず、上記の観測機器は政府の命令で全て撤去されてしまったという。当時の総理大臣は森喜朗氏ですが、設置済みの観測機器が全て撤去させられたことからも分かるように、この観測を恐れていた人々がいたということです。森氏はその代理人だったのでしょう。
2. 国民を見殺しにする日本政府
国民の命よりも代理人としての任務に忠実という点では、現政権も似たようなものですね。容体が急変したコロナ患者を病院に搬送しようとしたものの、満床を理由に、120か所もの病院から断られて立往生している救急隊員と呼吸困難で苦しんでいるコロナ患者。これは、日本各地で見られる光景です。
千葉園柏市では、コロナに罹患した妊婦さんの受け入れ先が見つからず、何の準備もないままで自宅で早期出産に至り、生まれたばかりの赤ちゃんは間もなく死亡。大問題になっていますが、これほど悲惨なことはあるでしょうか。
福岡県でも、死亡にまでは至らなかったものの、すでに第4波の段階で似たような事例が発生しており、デルタ株の猛威にさらされている現在は、第4波以上の被害が出る恐れがあると指摘されています。
デルタ株感染者の激増度からすると、医療崩壊は不可避であることは明らかです。にもかかわらず菅総理は重症者以外は自宅療養を促す方針を表明していました。自宅出産で赤ん坊を亡くされたお母さんは、まさにその政府方針の犠牲者です。
公立病院の少ない日本では、コロナ対応可能な病院は非常に限られています。これまでは何とかしのいできたものの、前例のないほどの勢いで、短期のうちに感染爆発をもたらしているデルタ株下では、猛スピードで対策を進める必要がありますが、菅総理の動きは非常に鈍い。
眼前で進む悲惨な状況に何も感じないのかとその鈍さには驚くばかりか、理解不能です。政府がないに等しい。
医療崩壊不可避であるのは明らかですので、政府に対しては、野戦病院的な臨時の病院を各地に設置するようにとの声も出ていました。確か日本医師彼の中川会長も同様の発言をしていましたね。
私生活をめぐって何かと批判にさらされてきた中川会長も、この惨状を座視していたのでは、医師の存在意義が問われると考えたのか、野戦病院を開設して、医師会も全面的に協力したいというふうな声明を出していました。
本来ならばもっと早い段階で、政府の方から同様の方針を出し、医師会の協力を得るべく働きかけをするべきでしたが、無策の政府に代わって、動きの鈍かった医師会もやっと動き出した、動かざるをえないと判断したわけです。しかし菅総理は、この呼びかけにもすぐには反応せず、馬耳東風。
昨年の感染爆発時、中国政府は突貫工事で病院を建設し、患者の治療にあたりましたし、イタリアンなどでも各地に臨時の病院を開設し、コロナ患者の対応に当たりました。一方、日本の菅総理は爆発的な感染が発生してもほとんど動かず、ろくに治療も受けられぬまま、自宅での療養中に死を余儀なくされている犠牲者が出るに任せています。
菅政権とはいわずに菅総理と呼んでいるのは、これほどの異常事態が発生しているにもかかわらず、菅総理は相変わらず、官僚も排除した3,4人の関係閣僚だけで対策を進めていますので、菅政権の大半の閣僚も事実上排除されたままだからです。当然、閣議や会議の記録も残されていません。
これほど政権を私物化している総理大臣は菅氏以外には例はないはずです。全閣僚と官僚も交えて協議したならば、もう少しましな対策がなされたのではないかと思いますが、全員排除されていますので、菅氏の頭以上の対策がなされず、異常事態は放置されたまま。
しかしさすがの菅総理も、千葉県の赤ちゃんの死亡事件を受けて、やっと外部の声にも反応せざるをえなくなったのか、体育館などを使った臨時の病院を開設することを各地の自治体に要請しました。遅すぎます。この間、大勢の患者さんが、入院できず、まともな治療も受けられないまま自宅でなくなっています。
ここに来てやっと臨時の病院が開設されることになりましたが、一方、感染拡大予防には不可欠な感染経路の追跡は、深刻化する保健所の人手不足から、事実上、ほぼ停止に近い状況に立ち至っています。 保健所「苦渋の選択」、濃厚接触者などの調査縮小へ…「追いつかないのが現状」 2021/08/21 読売新聞
ひょっとして菅氏は、日本国民の人口減少策に手を貸しているのではないかとさえ思われてきますが、安倍前総理と麻生財務大臣という自民党の大物議員が菅氏を支援しているとのことで、党内からは余り大きな批判の声は上がっていません。これも異常。
高市早苗議員と下村博文議員が総裁選に立候補することを表明していますが、推薦人が集まるのかどうか。選挙なしでの続投を狙う菅氏に対して、勇敢にも早々と立候補を表明した高市氏の方が自民党の再生には多少なりとも効果はあるのではないかと思われますが、自民党の大勢としては、菅氏とともに沈みつつある泥船に乗って、ともども海底に沈んでいこうという意向のようです。
菅総理のもとで、自民党そのものが生きた屍と化していますね。まさに生きた屍のような、自民党内の静けさもまた不気味。近づく衆院選では、この異常な政権に対する審判が下されるわけですが、ここまでくると、憲法改正論議以前の、人間の倫理を問う選挙にすべきでしょうね。
3. 支援者に殺されたスリランカ人女性
日本語を学ぶために来日していたスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが、入管施設で死亡したことをめぐって国内外から猛烈な批判が沸き起こっています。体調が悪いと訴えても医師の診断も受けさせなかったというのであれば、非人道的だと批判されてもやむをえませんが、事実はどうであったのか。まずは、入管施設に収容されるまでの経緯を確認する必要があると思います。
8月10日の西日本新聞夕刊の一面トップに、「人命に『危機意識欠く』」との大見出しでこの事件が取り上げられていましたが、死に至る事件の流れを時系列に沿って表にしたものも掲載されていました。WEB版からその表をコピーしてご紹介します。
表を見ると、今年の1月中旬に嘔吐などの症状のあった後、2月5日には外部の消化器内科で胃カメラ検査をを受け、「逆流性食道炎の疑い」との診断を受けています。リンクの解説を見るまでもなく、胃酸が逆流する症状ですが、その「疑い」ありとの診断ですので、何か重篤な状態にあったわけではなかったことは、事実だと思われます。
その後3月4日には外部の精神科を受診し、抗精神薬を処方されています。精神科を受診したということは、彼女が精神的に不安定な状態にあったことが推察されますが、その二日後に死亡しています。
死因が何であったのかは明らかになっていませんが、体調不良を訴えても病院にも診せなかったという報道は事実ではありませんでした。素人の推測ですが、抗精神薬を大量に服用して、それが死につながったのではないか。
さらに気になるのは、ウィシュマさんは留学資格で入国したにもかかわらず授業にも出なくなり、除籍処分になっていますが、帰国せずに難民申請をしています。難民認定されなかったのは当然すぎる状況ですが、彼女はそのまま不法残留を続けています。
その後、20年8月に、同居のスリランカン人男性から追い出されたとして「帰国したい」と静岡県の交番に出頭、逮捕され、名古屋出入国管理局に収容されました。異国の地で同郷の恋人から追い出されるというひどい仕打ちを受けたとなると、ウィシュマさんが「帰国したい」と思うのは当然です。
ところが20年12月に支援者と面会した後、彼女は帰国意思を撤回、日本残留希望に転じます。しかしこの時点で帰国していたならば、ウィシュマさんは施設で過ごすこともなければ、死亡することもなかったわけです。支援者たちは、残留資格のないことが明白すぎる彼女の帰国を阻止し、なぜ日本残留へと誘導したのか。
彼女の場合は、何度難民申請をしても認められるはずのないことは明白すぎる事実ではありませんか。支援者たちはなぜこの彼女に、帰国のための支援をせずに、100%認められるはずのない難民申請をさせたのか、その理由を明らかにすべきです。
彼女を死へと追いやったのは、支援者たちではないですか。
また来日しているウィシュマさんのご家族は、ウィシュマさんを追い出した、同居していたスリランカ人男性の非道さをも問題にすべきではないですか。ご家族はこの男性に会って事情を聴いたり、抗議したのでしょうか。彼は不法滞在者ではなかったのでしょうか。支援者もこの男性に会ったのでしょうか。
ネットにはウィシュマが書いたという手描きの手記も公開されていますが、たどたどしい日本語でかかれたその手記には、同郷のその男性は、ウィシュマさんがお金を貢いでいる間は同居を続けていましたが、彼女がお金を貢げなくなると、もう用はないとばかりに彼女を追い出したという。
その男性は不法残留者である彼女を追い出し、住む場所もなくしたならばどうなるか、その結末を百も承知で追い出したわけですが、これほど残酷極まりない男がいるでしょうか。
確かに入管職員の対応には多々問題のあったことは事実のようですが、事の経緯を辿れば、留学は入国のための方便にしかすぎず、半ば確信犯的に不法滞在を目論む外国人をいかにして帰国させるかは至難の業だとも思えてきますね。おまけに不法滞在を奨励する支援者までいますしね。
なお、ウィシュマさんの手記は昨日(8/21)見つけたのですが、保存し忘れていましたので、保存しようと本日(8/22)検索しましたが、見つかりませんでした。わたしのこの未公開のブログの下書きを窃視して、不利と判断したのか、どうやら削除された模様。残念です。
本事件とも絡んで問題になっていた入国改正法案では、難民申請が3回却下されると強制送還されるという内容になっていたそうですが、これが最大の争点になり、今国会では成立しなかったとのこと。しかし3回却下で強制送還は、双方にとって無駄な労力や心身の疲労を回避するためには合理的な基準ではないですか。なぜ反対者がいるのか理解不能。
また在日本スリランカ大使館は、自国民の不法滞在をどう考えているのでしょうか。日本はスリランカに対しても様々な支援を続けています。在スリランカ日本大使館。どこの国の人にとっても、他国で難民にならず、あるいは他国に移民せずとも自国で暮らせるようになることが一番の幸せです。
難民の増加を支援するのではなく、難民発生をいかにして防ぐのか、世界中がこの目的達成のために力を注ぐべきだと思います。
皇室の名宝 九州国立博物館 8/29まで |